盛岡地域の電話帳に「朝市」という名称で事務局が載っているほど、盛岡市民の間ではすっかりおなじみの「神子田朝市」。300日間毎日開催されていますが、年300日間の営業の朝市というのは全国でもなんとココだけ!
しかも、生産者が直接いわての新鮮な農作物などを安く提供してくれるから、地元の人だけでなく、観光客にも大好評。そんな神子田の朝市も今のようになるまでには、実は数々のドラマがあったのでした。
事の起こりは、旧都南村津志田に「盛岡市中央卸市場」が開設されたこと。
中央卸売市場開設に伴い、南大通の盛岡市中央青果の外郭にあった生産農家の直売所が立退を迫られたのです。盛岡市内に生産農家の直売所がなくなるという大ピンチ! 消費者である市民が困るのはもちろんのこと、直売所を失う零細農家はたまったものじゃありません。それが発端となり、新たに直売所を作ろうと各地域の有志が集まり、生産農家主体の「盛岡地区生産者立売組合」を結成。そして、昭和43年11月に、南大通の新しい場所で、立売組合による「朝市」を始めました。
名称内の「立売」は、農産品を乗せたリヤカーの傍らに立って売る農家の実直な精神が込められたもの。その生産者側の姿勢が市民に受け「朝市」は大盛況。しかし、あまりにも大盛況であったため、今度はより広い駐車場や売場の確保できる場所への移動が必要となったのでした。検討の結果、現在の神子田の位置に落ち着くことになったのが、昭和52年6月のこと。それから現在まで「神子田朝市」は、盛岡市民の台所として、生産者と消費者が直接顔を合わせることのできる場所として、300日変わらぬ賑わいをみせています。
盛岡中の様々な人に支えられ、成り立っている「神子田朝市」は、毎朝4時頃から始まります。(毎週月曜日休み。注:5月~12月まで月曜日の祝日・振替休日は営業)
そんな活気ある朝市へ、早起きして どうぞ おでってくなんせ。